NAロードスター、「銀座の戦い」に完勝セリ!
輸入中古車400勝こと伊達であります。このたび故あってマツダの96年式ロードスターNA8Cを手に入れ、「打倒英国旧車」を合言葉に地味なカスタム(といっても極力ステキな純正風にする作業)に励んでおります。輸入車畑の人間であるわたくしが、なぜいきなり国産車を買ったのかという理由につきましては、
をお読みいただければと思います。
で、上記リンクにもあるように、わたくしは中古車評論家として己の「選球眼」にはそれなりの自信を持っておりました。「今、コレ乗っとけばかなりシブいだろ」みたいな選球眼です。それゆえNA8Cを購入した際も「ヤバい。これでオレ、またかなりシブくなっちゃうよ……」と一人で舞い上がっていました。
がしかし。NAにて勢い込んで東京の町(具体的には六本木とか麻布界隈)に出てみたところ、目論見は思いっきりハズレました。「ヤバい。なんかオレ、全然シブくなくね?」みたいな感慨を覚えたのです。
NAロードスターを選んだわたくしの選球眼が間違っていたとは思いません。そうではなくNA8純正アルミホイールのダサさや、リトラクタブルヘッドライトのチリが微妙に合っていない点、バンパーの接合部が水アカで強烈に黒ずんでいること、あるいはボディ表面のクリア層がまるで50代女性のお肌のようにハリとツヤを失っていること……等々が、六本木や麻布ごときに負けてしまった理由であると思っています。
そしてその後、わたくしは地味にカイゼンに励みました。水アカで強烈黒ずんだバンパー接合部や50代女性のお肌的ボディ表面にはまだ着手できてませんが、その他部分にはそれなりの手を入れました。
……この状態にてもう一度六本木および麻布界隈に出撃すれば、今度は完勝できるのではないか? まだ完璧なコンディションではありませんが、六本木・麻布程度の格式であればこのぐらいでも勝てるのではないか? わたくしはそう考えました。
いやいや、男たるもの志は高く持ったほうがいい。六本木や麻布なんぞに勝ってどうする? そんなのは意味のない勝利である。男たるもの、やはり格式としては日本一のレベルにある「銀座」に勝負を挑むべきなのではないか? 今の状態のNAロードスターで銀座という重鎮に勝てるかどうかはわかりませんが、少なくとも挑戦のしがいはあります。燃えてきます。
ということで銀座にやってきました。
……どうでしょうか? 写真のテーマは『千疋屋の若旦那の休日』です。
「千疋屋の若旦那が休日、大磯にある2000坪の別荘から久しぶりにフルノーマルのNAを引っ張りだし、伊豆半島へドライブに行こうと思ったが、銀座本店でのっぴきならない事態が出来したため、大磯の別荘から急きょNAロードスターで銀座に駆けつけた」というイメージで撮ってみました。
成功している! と、わたくしは思います。
写ってませんが千疋屋の看板にも、銀座中央通りの歴史にも、我がロードスターはまったく負けていない。ま、勝ってるとは言いがたいのかもしれませんが、少なくとも大負けはしていない。わたくしはそう思います。
「微妙にモテなさそうな車」「貧乏な走り屋っぽい車」「なんか童貞が乗ってそう」……散々な言われようの我がNAロードスターですが、フルノーマルまたはそれに近い状態、あるいは趣味の良いカスタマイズが施されたものをキレイにキープしておけば、十分以上に「紳士の車」として通用する。……それが、わたくしが購入前にイメージしたものでありますが、そのイメージはやはり正しかったのだ! と、この偽千疋屋主人写真を見てあらためて確信する次第です。
ついでですから松屋前にも行ってみましょう。
……大勝利です。ジョニー・デップがお忍びで来日し、NAロードスターに乗って松屋デパートに何か買いに来たのかと思いました。
さらにはPRADA付近へ。
……これまた大勝利です。こちらは紳士の車NAロードスターですから、ナイロンのチョケたカバンをぼったくり値で売ってる成金者など、相手にもなりません。
最終的なテーマである「打倒英国旧車」への道はまだまだ全然ロング・アンド・ワインディングロードで、圧倒的な道半ばではあります。しかし「方向性は間違っていない!」ということは確信できた、今回の銀座遠征でありました。
粛々と勝利への道をほふく前進したいと思います。押忍。