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中古車ジャーナリストの雑文一式。

アルファロメオ、漢の対決2011(前編)

※2011年7月25日執筆

 

I returned from OTOKONO-TAIKETSU naw ! I alive !

と、いきなりビミョーにつづりが間違ってますが、かねてより水面下で話が進んでいた「アルファロメオ、漢(おとこ)の対決2011」を終え、不肖伊達、永福町の参謀本部に無事帰還いたしました。

が、初めての「動画を回しながらの取材」ということで若干テンパッてしまい、スチール撮影をするのをすっかり失念。これでは「エア取材なんじゃないか?」と、まるで日垣隆先生のような疑いの目を向けられることは必至。よって以下、当日収めた動画のモニター画面を撮影し、それをUPすることで「エア疑惑」を回避したいと存じます。

 

左写真はMr GTV@永福町さんの後期GTV改

 

こちらは「GTAのり」さんの156GTA。フルノーマルです

 

「GTAのり」さんのGTAに試乗中の不肖伊達 (マーク清原写す)

 

さて、「アルファロメオ、漢の対決2011」とは何ぞやということをざっくり解説しますと、不肖わたしの中期アルファGTV 3.0関連ブログのコメント欄に、後期GTV3.2改に乗る「Mr GTV@永福町」氏なる人物から挑戦状が届きました。

 

「貴殿の中期型GTVに勝負を挑む!」と。

 

ここで敵に後ろを見せ、話をウヤムヤにする/論点をズラしたうえで罵倒する/相手があきれて黙ったところで勝利宣言を出す、などしては日垣先生呼ばわりされてしまいますので、わたしは「よござんす、お受けします!」とのみ答えました。そうこうするうちに156GTAに乗る「GTAのり」氏なる人物も「わたしも貴殿らに挑戦したい!」との名乗りを挙げ、それに対しても「よござんす!」と答えました。



で、三者相談のうえ某日深夜、富士裾野ならぬ大黒PA周辺をスタート地に設定し、「鑑賞対決」「音響対決」「加速対決」「試乗対決」の1時間4本勝負をすることに相成った次第です。立会人やレフェリーは特には置かず、漢としての誇りとCAR GUYシップに基づき正々堂々と戦い、勝敗はそれぞれの心眼で潔く決めることとします。

 

さて、深夜の大黒付近路上で挑戦者(?)2名の到着を待っていると、チャリンコに乗った地元のヤンキー中学生2名がチャリチャリと不肖伊達に近寄ってきます。すわ、オヤジ狩りか! と、あわてて昔読んだ極真カラテ入門書の極意を思い出そうとしましたが、彼らいわく「あのスミマセン! 今日ドリフトやる場所ってココですか?」と。

 

いや、自分は知らぬし、そもそもおじさんはドリフトしない(できない)のだよ……と言うと、「そうスか!大変失礼しました! あ~見たいなードリフト……」と、大変残念そうにつぶやきながら闇夜へと去っていきました。ある種の地域では自動車文化はまだまだ十分に「HOT」なのだと実感し、ちょっと目頭が熱くなった不肖伊達でありました。

そうこうするうちに、今宵の「敵」が到着します。

 

ちょっと熊倉重春さん似のナイスミドル「GTAのり」さんと、快活な好青年とお見受けする「Mr GTV@永福町」さん。前者の愛機は完全フルノーマルの05年式156GTA、走行2万km台。後者の愛機はビルシュタイン車高調/ECUチューン/Over Racing製マフラー(等長パイプ以降のフルセット。2本出し)などで武装された04年式GTV 3.2 V6 24、こちらも走行2万km台。一方の不肖伊達は基本ノーマル、だけどOver Racing製マフラー(等長パイプ以降のフルセット。4本出し)だけは購入時から付いていた99年式GTV 3.0 V6 24、走行5.4万kmであります。

初対面の握手を交わしつつも軽くガンを飛ばし、さっそく「鑑賞対決」に入ることとしましょう。(※注:諸事情により、実は最初に鑑賞対決をしたわけではないのですが、編集的観点によりあえて順番を前後してお届けします)

まず「GTAのり」氏の156GTA内装。専用デザインの一体型ハイバックシートは実戦性能に加え核抑止力も強力と思われ、そのコンディションも運転席側のごく一部を除き良好。ノンスモーカーである同氏だけに車内の異臭もゼロ。各種メンテナンスにはかなりこだわってるっぽいGTAのり氏ゆえ、自車の内装コンディションにも相当の自信があると見え、内装を鑑賞する不肖伊達を「どや顔」で見ています。確かに、05年式として見ると「かなり良好!」であることは間違いありません。ただ、一家のファミリーカーとしても使われているという個体だけに、「超良好」とまでは言えぬ……というのが不肖伊達のCAR GUYシップに基づく判定です。押忍。

お次に「Mr GTV」氏の後期GTV。……これは凄い。とにかくすべてがパリッとしている。この機体は基本的にサーキット&峠専用で、家族用には別のクルマをお持ちとのこと。このパリッと加減は主にそれが理由なのだろうが(加えてMr GTV氏もノンスモーカー)、しかしそれだけではなさそうだ。例えばステアリング。社外品だが、つい2カ月ほど前に買った品物のように見える。しかし、Mr GTV氏に聞いたところ「前に長らく乗ってた98年式スパイダーから移植したステアリングです」とのこと。

 

それがなぜこんなにもキレイかと聞くと「乗った後は必ず硬く絞ったウエスで拭いてますから」と。うむ~、お手入れの勝利か。「エンジンとか足は壊れたら直せばいいですが、内装はそうもいきませんからね。あと、内装がヤレてると全体がみすぼらしく見えますから、内装の清掃にはかなり気を使ってますよ」。うむ、敵ながら見事な見識と実行力としか言いようがない。

 

そして不肖伊達の99年式GTV。……微妙なロッソ(赤)を基調とする内装デザインそのものは我ながらシャレオツの極致だと思うわけだが、いかんせん年式の古さと、不肖伊達のスボラな性格(ほぼノー手入れ。ときおり掃除機をかける程度。たまに車内で喫煙することも)が災いし、なんとなくボロいオーラがにじみ出ている。や、言い訳するわけではないが、そこらのボロい中古GTVと比べれば断然イケてるコンディションではあるんですよ。が、ディープなマニアが大切にケアしている2台の内装と見比べてしまうと、完全に「格が違う」感じだ。

 

「ま~サーキット用だからってのはわかりますが、運転席と助手席でシートの形状が違うのってオシャレじゃないですよね~! その点ボクの中期GTVは車内フルノーマルで……」とか、「う~ん、さすがにお子さんも乗ってるだけにこのGTA、ちょっと散らかってますよね~」などと詭弁を弄すこともできなくはなかったが、ここはCAR GUYシップに基づき正々堂々と言わねばなるまい。「鑑賞対決は、私の中期GTVの負けです」と。

私の勝手なジャッジによると、鑑賞対決は1位:Mr GTVさんの04年式GTV、2位:GTAのりさんの05年式156GTA、最下位:伊達の99年式GTV となる。

 

「伊達さんの内装色、おしゃれですねー! でも……シートの色とか左右で違っちゃってるんで、LE GARAGEのレザーケアスプレーとか、使ったほうがいいかもしれませんよ。ボクの後期GTVもそれ使ってますけど、ホントいい製品ですから!」とはMr GTV@永福町氏談。……敵に塩ならぬ「革用スプレー」を送られては、不肖伊達@輸入中古車研究家も立つ瀬がない。軽く切腹してから仕切り直し、「音響対決」に駒を進めたいと思う。