テーマは「打倒英国旧車」であります!
全世界の自動車愛好家の皆さん! わたくし不肖伊達は本日ここに宣言いたします! 過日いろいろ思うところあって購入した96年式マツダ(ユーノス)ロードスターにて、わたくしは新たなるジャパニーズ・セミクラシックカー像を確立し、そしてそれにより英国旧車を打倒いたします! つまり英国旧車以上にシブく感じられる存在に、我がNAロードスターを仕上げてゆく所存なのであります!!!
……いや「全世界の皆さん」とか言っておきながら諸事情により英語じゃなくて日本語での演説ですし、英国旧車に対しても実は「打倒!」とか全然思ってません。
自動車の魅力ってのは車種によってそれぞれですし、それぞれの魅力を好む各個人が、自分なりに好き勝手にそれを愛すればOKってのが本来あるべき姿です。なので「打倒英国旧車!」ってのは単なるかけ声といいますか、活動を始めるうえでの「景気づけ」でしかありません。少年ジャンプも自動車ブログも、何らかのわかりやすいテーマ設定が必須なのでありますよ。
それはさておきNAロードスターによる「打倒英国旧車」。なかなか厳しい戦いであることは間違いないでしょう。
例えば冒頭で掲載したMGB。写真はWikipediaのパブリックドメインから適当に引っ張ったものですが、やっぱりシブいです。最高にドシブいです。さすがは1962~1980年製という年輪を感じさせるたたずまいであり、せいぜい1989~1998年製となるNAロードスターでこのシブさを出すのはまだちょっと難しい。
またごく最近のマツダ車は下手な輸入車など足元にも及ばぬほどステキな内装デザインを備えてますが、NAは、いやNAに限らずこのぐらいの年代の国産車は全般的に「内装デザインに難あり(端的に言うとダサい)」というのが、わたくしの長年の持論です。外観デザインはもちろん重要ですが、内装というのも車のシブさを形作るうえで(特にオープンカーでは)非常に重要なポイントであることは論を待ちません。その点でも、かなり不利な戦いなのであります。
しかし、とわたくしは思います。
詳しくは前々回のエントリに譲りますが、NDという小泉進次郎が生まれたことで見事「成仏」したNAロードスターは今、仏様=浮世とは無縁の純クラシックカーとして転生するに最適なタイミングであるはずなのです。わたくし個人は好みではない「走り屋系のゴテゴテした改造」が施された個体は別として、フルノーマルあるいはフルノーマルに近いNAであれば、「打倒MGB!」とまではいかずとも、やりようによってはそろそろMGBと「いい勝負」ぐらいはできるのではないか?……と何となく確信するわたくしなのであります。
そのためにはまず「正確な現状把握」と、それをベースとする「今後の方針決定」が重要となります。まずはわたしの96年式NAの現状をいろいろと見てみましょう。
エンジンとか足回りとかは、この個体の販売店である宮崎県の松元エンジニアリングさんが元々かなりいい感じに仕上げてくれているので、今のところ何の問題もなし。ま、古い車ですのでこれから出てくる箇所もあるでしょうが、出てきたらそのときに対処します。ここについては以上終わり。
そして内装。コレ(↓)が新車時のマツダ様広報写真で、
コレが(↓)が現状の軍曹号。
そのうえで、細部を見てみましょう。
まずタンのレザーシートは、さすがに9.8万kmなりの使用感はありますが、状態としてはそんなに悪くない。運転席側は何らかのクリーナーでせっせと磨けば十分キレイになりそうだし、助手席側は何もする必要がないぐらいキレイ。バケットシートとかに替えるつもりもゼロなので、これも以上終わり(あ、でも黒ずんだカーペット類は気候が良くなったらゴシゴシ洗いたい)。
こういった内装の黒い樹脂部分は、アーマオール的なものをごく薄~く塗っときゃOKでしょうな。その周りのタン部分の黒ずみも、そのうちテキトーな内装クリーナーで掃除しときます。以上終わり。
年代物のカーオーディオは新車時からの純正品。性能的には正直、最新のiPhoneとか接続できるようなやつに交換したい小生ですが、このシブい純正オーディオはもはや文化遺産みたいなもんですし(?)、そもそもうるさい車ゆえラジオも音楽もよく聞こえない。聞こえないものは聴く必要なし! ということで、ココもそのままでいいかな。
問題はココだと思っとります。内装全体の「ちぐはぐ感」。タン革+ウッドと、黒革のエアバッグ付きステアリングが思いっきりケンカしちゃってて、総合的な美観としてなんかよくわからん感じになっているのでありますよ。
こちら(↓)はマツダ様広報写真の、わたしのよりちょっと前の年代のVスペシャル。このようにステアリングホイールもウッドであれば全体の調和がとれるんですが、わたしのはステアリングが黒革であるため、総合カラーコーディネーターであるわたくしとしては「……ダサい」と判定せざるを得ないのです。
あとダサいといえば、ナルディの純正ウッドシフトノブ(ナルディ内の製品名称はEVOLUTION)。……この形が好きだ! って人には大変申し訳ないですが、不肖わたくしの目にはオートバックスとかで売ってる安手の灰皿とか芳香剤のボトルに見えてなりません。たまらなくイヤです……。
お隣にあるサイドブレーキのグリップ部分の色あせも、レバー根元のキズキズも気になるっちゃ気になりますが、ここについては「歴戦の勇者!」的な味わいも感じられますんで、まあ許せるかなと。しかしナルディEVOLUTIONのデザインは虫唾が走ります。すみませんが。
ということは、このあたりについて考えられる今後の方向性は、
1:ステアリングをナルディの茶色ウッドに替えて、同時にシフトノブもEVOLUTIONではないまともなデザインのナルディ製茶色ウッドシフトノブに替える(PRESTIGEとか)。
2:もしくはエアバッグ付きの黒レザーハンドルをインテリアの主軸に据え、シフトノブとサイドブレーキグリップを黒レザーに替えることで全体を調和させる。
という二通りのやり方しかないかなと(※派手な社外パーツに替えるとかはワタシにとっては論外)。で、わたくしとししては2の「シフトノブとサイドブレーキのほうを黒革に替える」でいきたいと思うであります。せっかく付いているエアバッグを外すというのも、命を守る意味では本末転倒ですしね。都内の専門店さんとかヤフオクとかでパーツをボチボチ探しつつ、仕上げてまいる所存です。
あと、外装樹脂モールの白っちゃけた箇所やメッキパーツのくすみは、打倒英国旧車を目指すうえでは大敵となる非おしゃれポイントです。全体のコンディションがいくら良くても、ここがダメなだけでなんだか「貧乏大学生の改造車」みたいなオーラが出てしまいますからね。早急になんとかしたいです。
ま、黒い樹脂モールはそれ用のケミカルを塗っとけばなんとかなるはずですが、難敵はメッキパーツのくすみですね。ここについては先日いちおうHoltsのそれ用クリーナーをオートバックスで買いましたが、キレイになるかどうかは謎です。わたしが日頃取材している各中古車販売店さんも、「いろいろなケミカルを試したけど、メッキモールをキレイにするのは本当に難しいわ……」と口をそろえてらっしゃいますからね。まぁもしも無理そうなら「潔くあきらめる」という男らしい作戦をとります。
そして最大の難敵っつーかガンは、この純正14インチホイールなんじゃないかと……。
ご存じのとおりNAロードスターの途中から採用されたこのデザインですが……コレが好きで好きでたまらない人がもしもいたら申し訳ないですけど、わたくしには「安手のスタッドレスタイヤとセットになってる謎の激安ホイール」にしか見えません……! ソッコーで替えたいであります。なので、ちょっとサビてますけど、過日のオートバックスではサビ落とし用ケミカルすら買いませんでした。
問題は「じゃ、どんなホイールに交換するか?」ということですな。……ある種のグレードが履いてた純正装着BBS?
……決して悪くないですが、なんか「走り屋」のイメージがしちゃって、自分的にはちょっと微妙なんですよね……。わたしとしては何というかこう、NDのテレビCMでNDと併走している、おじいちゃんが運転してる赤いNAがあるじゃないですか? あの感じに、自分のNAを持っていきたいんです。平和でノーブルな感じに。
となると、ホイールは少なくともBBSじゃないんじゃないか? と思うわけです。いやわかんないですけどね。
……しかしBBS以外の社外ホイールを履くとさらにひどいことにもなりそうなんで、やっぱりベストというか安牌はコレでしょうか。
初期モデルが履いてたこの純正ホイール。これを、ヤフオクかなんかで地味に探すのがベストのような気もしています。
まぁかなり長くなってしまったので今日のところはこのへんで勘弁しといたりますが、いずれにしましても今回挙げたいくつかのネガ要因(ダサ要因)を早急になんとかし、さらにボディの磨きとコーティングをビシっと行えば(もしくはそういった作業は一切行わず、枯れてる系で行くと決心すれば)、それだけでさしあたり、MGBのシブさには及ばないまでも、新たなジャパニーズ・セミクラシックカー像の一部は確立できるのではないかと、そう思っている小生なのであります。押忍。