輸入中古車400勝

中古車ジャーナリストの雑文一式。

戦術核、敗れたり! そして謎の男からの電話が……

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中古車ジャーナリストの伊達軍曹であります。故あって購入した96年式NAロードスターに棲みついた20年モノの強烈水アカに対し、いよいよ戦術核兵器を使用する時がやってきました。戦術核っちゅうのは、世間的には禁じ手とされている「パイプハイター高粘度ジェル」のことであります。

 

 

 

しかしアレだ、前回のエントリで戦術核使用の決意を表明したところ、FBページのほうで各位から「早まるな!」「核に匹敵する通常兵器もあるぞ!」「和睦の道を探るべし!」等々の貴重なご意見を多数頂戴しました。

 

それを読んでいるうちにわたくしの核使用の決意も正直ゆらぎまして、今朝方はあらためて通常兵器(シュアラスター スピリットクリーナー+スポンジ)による最後の総攻撃を敢行したのでした、実は。

 

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しかし通常兵器による波状攻撃は、やはりいとも簡単に跳ね返されてしまいました。そこで最高指揮官たるわたくしは「……戦局ここに至ってはやむなし。諸君、戦術核の発射準備を!」と命じたのでした。まぁ指揮官=オレ、現場の兵士=オレなんですが。

 

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残念ながら発射されることになったPHKG-1(パイプハイター高粘度ジェル1号)近影。

 

 

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まずは、効果的なのかどうかわかりませんが、とりあえずティッシュペーパーにマジックリンを浸し、それを「患部」に10分間ほど張り付けて、汚れが浮いてくることを期待します。

 

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そしていよいよ核の発射ボタンを押しました。地獄の業火のごとき超強力兵器ですので、患部にのみそれが付着するよう、細心の注意を払ったであります。

 

PHKG-1ミサイルの取説によると「塗布した後、15分から30分ほど時間を置く」とのこと。30分置いたほうが良かったのかもしれませんが、クリアより下の層までが地獄の業火に包まれては大変ということでビビリ、約15分後に水をぶっかけて洗浄しました。

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で、結果を見てみると……ううむ、いまいち変化がありません。

 

 

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しかしPHKG-1ミサイルにより敵もこの瞬間は弱体化しているでしょうから、すかさず通常兵器で追い打ちをかけました。シュアラスター スピリットクリーナー+ハブラシによるソフト攻撃です。

 

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ううむ……当初の黒ずみと比べるとほんの少々改善はされているような気もしますが、「マイナス5歳肌の超美白」とはならなかったようです。戦術核、敗れたり。ちなみに、戦術核を発射した部分の塗装状態はギリギリセーフだった模様。正直ほっとしました。またちなみに、写真のウインカー(サイドマーカー)部分には今回、戦術核は使用していません。

 

エニウェイ、先制核攻撃は失敗に終わったと評するほかないでしょう。せっかく地獄に落ちる覚悟でもって発射ボタンを押したのに、残念無念であります。

 

「こうなったらもうヤケだ! ホームセンターで耐水のサンドペーパー買ってきて、完全自己流で水研ぎするしかない! そんな作業、これまで今まで一度もやったことないけど! ついでにいえば手先が不器用で興味もないもんだから、中学生時代“技術”の成績はいつも1か2だったオレだけど! もう知ったこっちゃねえ!!!」

 

自暴自棄になったわたくしは、涙を流しながら近隣のホームセンターまで全力疾走しました。すると途中、見知らぬ電話番号からわたくしのアイフォーンに着信が。いちおう出てみますと、何やら男の声がします。

 

「軍曹よ、まあそうヤケになるな」

わたし「なんで知ってるんですか? どこから見てるの? ていうかどちら様ですか?」

「誰でもいいじゃないか。まぁ、お前のNAロードスターの黒ずみを除去するためのカギを握っている男……と思ってくれればいい」

わたし「はぁ……。で、どういったご用件でしょうか? わたしもこう見えてホームセンターまで全力疾走するなどで、意外と忙しいのですが」

「……その黒ずみを落としたければ今晩8時、首都高の辰巳PAに来い。さすがの俺も、現物を見てないので完璧に落とせるかどうかの約束はできないが、お前に“正しい道筋”を教えてやることはできる。とにかく、辰巳に20時だ」

わたし「なるほど。ではどうせモテないヒマ人なので、金曜の夜ですが伺いましょう。その前に、せめてあなたのお名前を」

「……俺のことはミスターXとでも呼んでくれ」

わたし「意外とベタですね」

「うるさい黙れ。ガチャン」

 

そうして、男からの電話は切れた。首都高辰巳PAで待っている男は誰なのか? そこでいったい何が行われるというのか? ていうか男は20時に本当にいるのか? 単なる変質者のイタ電じゃないのか? ……等々の疑問と不安を抱えつつ、わたしは96年式NAロードスターを駆り、夜の首都高辰巳第一PAを目指した。(つづく)