輸入中古車400勝

中古車ジャーナリストの雑文一式。

初代ロードスター購入のきっかけ

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最初は新車のハスラーを買おうと思っていた、実は。

 

「わたしはすでに輸入中古車道を極めてしまった」などとおこがましいことを言うつもりはない。まだまだわからないこと、体験してないことばかりだ。しかし、青年期からの憧れであったランチア デルタHFインテグラーレEVO2を買ったことで、わたしのなかで何か糸のようなものがぷつんと切れてしまったのは確かだ。

 

「これ以上、特に欲しい車は実はない」

 

そんな思いのなかでとりあえずルノー メガーヌR.S.モナコGPを購入してみたが、どうにも乗りきれなかった。いや大変素晴らしい車ではあったのだが、カンファタブルなモナコGPであることが災いしたのか、「まあとってもイイ車だよね、当たり前にサイコーだよね……」という以外の感想は特に生まれてこず、400勝ブログを書くのも億劫になってしまった。

 

 

 

そうこうするうちにわたしは釣りと草野球に目覚め、それらの活動を支援する車が必要だということでソッコーでモナコGPを売却し、MTの先代カングーを購入。これがまた素晴らしい道具グルマだったわけだが、あくまで道具グルマなだけにわざわざ車ブログを書く気にはなれず、代わりになぜか釣りブログや草野球ブログを熱心に更新した。

 

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だがやはり、いわゆる車好きの血はどうしても騒ぐ。カングーでは決して感じることのできない、また釣りや草野球が与えてくれる喜びともまた違う種類の喜びを、わたしは車を通じて得たい。どうしたって、そう思い始めるものなのだ。

 

が、相変わらず特に欲しい車(輸入中古車)はない。

 

そんなときに「……じゃ、ハスラーを新車で買ってみっぺか?」となんとなく思った際、若干血が騒いだ。これは面白いかもしれない、と。

 

わたしは日本に住む日本生まれの純日本人であるにもかかわらず、普段は中古のガイシャばかりを買っていて、日本のメインストリームすなわち「近所のディーラーで和モノの新車を買う」というのを経験したことがない。

 

そんなわたしにとって「国産新車を買う」というのは初めての海外旅行的なエキサイトメントであり、しかもローンなんか組んじゃったりした日には何らかの「プレイ」でもしてるかのように燃えるのかもしれない。で、買うならばハスラーがいいだろう。そもそも俺アレ、好きだし。釣りとか草野球にも使えるし。

 

……が、どうにも踏ん切りがつかなかった。「いいじゃんハスラー! 新車の!」とは思うのだが、「よし、じゃあハンコ持って三軒茶屋のディーラー行くか!」という決断が下せないのだ。心のどこかで「そんなモンにカネ使っても……」と思っているのだろう。ハスラー愛好家にはホント申し訳ないのだが。

 

そんなこんなのある日。あれは確かカーセンサー誌の取材で編集部N田氏が運転するミニバンで多摩湖に向かっていたときのことだったと思う。「何か面白い車ないすかね~。そういうの、あったら買いたいすよね~」みたいな他愛のない車好き的世間話をしていたときだ。

 

「例えばNAロードスターなんてどうでしょう?」

 

そう言ったのがわたしだったか、カーセンサーN田氏だったか、もはや覚えてはいない。だが確かN田氏の発言だったような気はする。

 

その発言を聞いたわたしは、まったく想像だにしていなかった「初代マツダ(ユーノス)ロードスターと共にある暮らし」というやつを最初はおぼろげに、そして次第に詳細にイメージしてみた。

 

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………………アリかもしれない! や、それって絶対にアリだ!!! N田くん、ありがとう! オレが買うべき車はたった今決まったよ!!! NAだNA! NAしかないよ!!! うおおおおおおおおおお!!!!!

 

そうひとりで雄叫びを上げたわたくしはソッコーでカーセンサーnetを検索し、宮崎県内の販売店に掘り出し物のNA8Cがあることを秒速で発見し、マイルを使って現地に飛び、音速で契約し、そして今、品川ナンバーに名変してNA8CのVスペを堪能しまくっている。

 

わたしが購入した個体の詳細については今後、移転を果たしたこの400勝ブログで順次つまびらかにしていきたいが、今大切なのは「なぜ、わたくしはNAロードスターを『や、それって絶対にアリだ!!!』と思ったのか」ということだ。相変わらず前置きが長くなってしまったが、次回はそのあたりの詳細をご説明申し上げたい(……けっきょく前置きだけで終わるんかい!)