輸入中古車400勝

中古車ジャーナリストの雑文一式。

デルタ、日本の夏に勝利セリ!

2012年10月3日執筆

 

MJ参謀長からは「全開にするとオイルフィルターが吹っ飛ぶらしい」と言われ、ある人からは「エンジンルーム内のゴムというゴムがドロドロに溶けますよ」と言われた。それゆえわたし自身、納車日に自宅車庫へ向かう途中でいきなりぶち壊れることも覚悟していた。また、それでも構わないと思っていた。

しかし、なんのこたぁない。今年6月20日に納車となった94年式ランチアデルタHFインテグラーレ・エヴォルツィオーネⅡという長い車名のイタリア車は、2012年10月3日(水)の今日もすこぶる元気である。

つまり、初めての夏を無事乗りきったのだ。


無論、「完全な無傷」とは言えないかもしれない。クソ暑い8月の日中などに乗っているとなぜかウインカーが「ハイフラッシャー状態」となり、埼玉県越谷市の珍走団もかくや、というビジュアルになったこともある(その後自然治癒。しかし自然復活、そしてまた自然治癒という、いかにもイタリア車らしい風情であった)。また、DVD撮影のため箱根の山中で軍曹に出来る最速の激走をしていると、比較的涼しい日であったにもかかわらず水温がかなり高めとなり、ペースダウン。そのため、前方を走るVWポロごときに置いて行かれるという、元ラリーカーにあるまじき失態を演じたこともある。


本人は「都会派デルタ」のつもりなのだが、砂利場が妙に似合ってしまうのが悲しい。また、ボンネットを開けている光景も妙にしっくりくるのがツライところではある。

が、せいぜいそのくらいだ。

また無論、さまざまな策を講じたから無事だった、という側面もある。その「策」とは、要するに「真夏の日中はあまり乗らないようにした」ということである。

7月後半の梅雨明けと同時に「エアコンテストひとり旅」を開始し、東京都の最高気温が34℃となった8月アタマぐらいまでテストを続行。そして「うむ、ド中古デルタのエアコンは外気温34℃ぐらいまでなら(なんとかギリギリ)大丈夫である!」という結論を出して以降は、火急の用件があるとき以外は半地下の車庫にて静養につとめたのだ。

これを卑怯と言うなかれ。クレイジーな日本の夏にド中古デルタを「フル稼働」させるなど、それは現役時代のジャイアント馬場さんを総合格闘技の大会に出場させるかのごとき愚考、というか愚かな特攻精神でしかない。世の中、「勝ち易きに勝つ」ことから始めるべきなのだ。ランチェスター戦略である。


それでも「火急の用件」というのはそれなりにあるもので、幾度となく炎天下の国道や高速道路に出動した94年式デルタではあった。しかし、機械トラブルにより世間様の渋滞をさらに渋滞させてしまうこともなく、そしてドライバーが熱中症で緊急入院することもなく、無事に火急の用件を済ますことができたことを報告しておこう。

これまでに何度か報告しているが、燃費は、満タン法のテキトーな計測によるとおおむね7km/L前後というのがわたしの使い方における平均。高速道路走行の比率が高い際は8.5km/L前後となる。無論、昨今のエコカーとは比べるまでもない数字だが、わたし個人にとっては「お、意外と燃費悪くないじゃん!」という感じだ。購入前は5km/Lぐらいだと勝手に思ってましたからね。


エニウェイ、これからが本番である。とりあえずの夏は乗りきったものの、いつ何がブチ壊れるかわからないクルマであることは確かであり、またそれが期待されているような気もする。気のせいかもしれないが。そして懸案事項の「サスペンション・オーバーホールまたは交換」も行わねばならない。

ということでまずはこれよりコレツィオーネ様にオイル交換のため赴き、サスペンション関係の相談も同時にしてこようかと思う不肖軍曹である。特にオチはない。