輸入中古車400勝

中古車ジャーナリストの雑文一式。

デルタインテグラーレ、明日納車!

※2012年6月19日執筆

 

いよいよ明日6月20日(水)、「冥土の旅の一里塚」こと94年式ランチア・デルタHFインテグラーレ エボルツィオーネⅡの納車日である。めでたくもあり、めでたくもなし。わたしは一体どこへ向かおうとしているのか。地獄か? あるいは意外とイケてる極楽なのか? さしあたってはノーバディ・ノウズである。


それはさておき、今日現在所有しているアルファGTVとM・ベンツSLKと合せて計3台ものクルマを維持できるお大尽ではないため、っていうか下手すりゃ白米にも事欠くワーキングクラスである自分ゆえ、デルタが来るからにはGTVかSLKのいずれかを手放せねば、洒落や冗談でなく白米に事欠く事態を招く。で、どちらを手放すことにしたか。

結論は「両方手放す」である。

つまり明日6月20日(水)より不肖軍曹は「男一匹クルマはデルタのみ」な毎日をはじめるのですよ、奥さん。

「それで大丈夫なの?」

この決断を下してから幾人にもそう言われた。これからやってくるクソ暑いニッポンの夏を、エアコンが(たぶん)ろくに効かないクルマで過ごすつもりなのか? っていうかそもそも入院ばかりであろう(と予想される)クルマ一台だけじゃ不便でしょう? と。

無論わたしだって、身体が弱いのでちゃんと効くエアコンは欲しいし、クルマでどこかへ行きたいときに肝心のクルマがたいてい入院中……という事態は避けたい。現代人だもの。ということで当初は、デルタとキャラがかぶるGTVは下取りに出すが、SLKは「冷房付きの壊れない下駄」として手元に置いておくつもりだった。が、以下3つの理由により、SLKも売却することにしたのだ。

1. 自分はいちユーザーであると同時に、職業的な「中古車研究家」である。その研究家が、SLKという逃げ場というか保険のようなものを用意しておくのは、男のアティテュードとして美しくない、っつーかリアルでない気がした。

2. 比較的インドア派の東京23区民である自分は、いざという時は電車やバス等の公共交通機関を使えばたいていの用事は済ますことができる。ならばデルタがクソ暑くてもぶっ壊れてもいいじゃないか。そのほうが美しいし……と思った。

3. これを機に3万円/月×2台という駐車場代のリストラを敢行したいと考えた。


……こうして改めて文字に書いてみると、なんとなく上記「3」が主たる理由なような気もしてきたが、いや断じてそうではないのだ!と、ボキ的には思いたい。

「男の一生というものは、美しさを作るためのものだ、自分の。そう信じている」

あまりにも、あまりにも有名な土方歳三の(いや司馬先生の?)言葉を胸に刻みつつ、今宵のSLK売却と明日のデルタ納車に臨みたい。その後のわたしの毎日がどうなるのか、わたしにはわからない。君にだってわからない。ノーバディ・ノウズである。ゴッド・オンリー・ノウズ? いや神様だってホントに知ってるのかどうか、怪しいもんだよキミ。

敬礼。