輸入中古車400勝

中古車ジャーナリストの雑文一式。

SLK購入始末記・内外装編

※2011年11月7日執筆

 

98年式R170型メルセデス・ベンツSLKの「見ずテン購入」に成功したことで、自分の輸入中古車戦線における連勝記録は「401」となった。ここに今回の購入顛末をできる限り詳細に、しかし読み飽きない程度に簡潔に、報告していきたい。まずは「内外装コンディション編」である。


上写真は納車日の夜、伊達家秘密駐車場にて撮影した一枚。車両価格73万円の当該物件は見てのとおりフルノーマルで、記録簿によれば北海道某市の方が所有していた「ワンオーナー車」である。整備は市内のヤナセにて車検ごとに行っていた模様。前オーナー氏はタバコを嗜まない方だったようで、車内にタバコのにおいや灰皿の使用跡のごときものは一切なく、カーセンサーnetに記載されていた「禁煙車」との文言は間違いないものと思われる。「北海道モノ」というと融雪剤の影響による下回りのサビが懸念されるが、それについては別エントリで後述したい。

同netに複数掲載されていた各部紹介写真はどれもキレイで、おそらくは実物もそのとおりキレイな一台であろうと予測はしていた。しかし写真というのは撮り方次第でかなり変わるものゆえ、勝負はフタを開けてみるまでわからないとも思っていた。

果たして現物はカーセンサーnetに掲載されていた写真ほぼそのまんまで、「美車!」と評して良いレベル。具体的には以下写真群のとおりである。

 

洗車キズが無いわけではないが、ボディ表面の状態はまさか激安物件には見えない。

 

古くなったR170のヘッドライトユニットは内部に水が浸入し、曇ってしまうことが多いというが、この物件のそれは非常にクリア。


コクピット正面はまぁこんな感じであります。 本革巻きステアリングの表面がちょっとテカッてしまっているが、個人的には許せる範囲。

 

初代SLKの内装はココがたいていハゲており、この物件も例外ではない。が、その剥げは最小限のレベル。70万円級でこれはありがたい。ちなみに再塗装するとなると費用は約2万円~が目安だ。


シートはおおむねこんな感じであります。

 

運転席のサイドサポート部には若干のシワは生じているが、まぁこんなもんでしょう。助手席側は使用頻度が少なかったらしく、もっとキレイ。


ドアハンドルは運転席側のみちょっと白っちゃけてしまっている。が、この程度なら後日、WAKO'Sのスーパーハードでも塗っておけばノープロブレムだろう。

ステアリングのテカリや、R170型SLKの弱点であるセンターコンソール部の塗装ハゲはごく一部あるが、73万円級としては「大勝利内外装!」と言ってよいだろう。通常、このぐらいの美観のR170前期型であれば車両価格は100万円前後になっている場合が多い。ちなみにカーオーディオの純正ヘッドユニットは下写真のとおり懐かしのカセットテープ方式で、これはソッコーで市販のCDヘッドユニット(iPodも聴けるタイプ)に交換しようと納車前は考えていた。しかし現物を見て自分は考えを変えた。この美観と統一感を崩してまで、自分はiPodなど聞きたくない。トランク内にある純正CDチェンジャーをちまちまと活用すれば、特に大きな不便はあるまい。

 

CDチェンジャーが付いてたので、レトロなカセットテープデッキでも問題なし。美観優先でいきます。


各種スイッチ類の作動にも問題はなく、エアコンもビンビンに冷える。本革シートは及第点以上の見た目をキープしているだけでなく、いわゆるアンコのコシがなくなってスカスカになっている感じもない。いちばんの問題というか気になるのが、「バリオルーフ」がきちんと動くか否かであるだろうか。

カタログによればR170型SLKのバリオルーフ開閉にかかる時間は本来「約25秒」とのこと。そして本日自分が実測したところによると、この個体のそれは、例えばルーフを閉める場合で「屋根閉め完了まで25秒、両サイドの窓が上がるまでに+2秒で、計27秒」というものだった。今後そのコンディションがどうなっていくかは定かでないが、現状は「問題なし」ということができそうだ。

 

ここまで、実測値で25秒+2秒。「2秒」っつーのは左右のウインドウが自動で上がる分の時間。カタログデータは「約25秒」でした。最近のクーペ・カブリオレに比べるとやっぱ遅いですね。

総じて言えば、内外装のコンディションはすべて「ほとんど不満なし」。若干の「経年劣化臭」みたいなものは車内にこもっているが、今後換気に努めるとともに、気の利いた脱臭剤でも仕込んでおけば、そのうち解決するだろう。内外装のコンディションはオールOK、と。


しかし続いて「走り込みテスト」を重ねていくにつれ、この物件には若干の問題点らしきものも存在していることを、自分は知覚するに至った。それについては次回エントリにて明らかにしたい。