輸入中古車400勝

中古車ジャーナリストの雑文一式。

悪徳(?)中古車店訪問記

※2011年5月30日執筆

 

ネット上の巨大掲示板で中古車関係の話題を見てみると、必ずあるのが「○×県の悪徳中古車店を晒そう」みたいな話題。

で某日、久々にその手の話題を覗いてみたら、基本的には昔からあんま変わってないのね。「どこそこの店でヒドイ物件をつかまされた」「整備するって言ってたのに何もやってない」「保証付きって言ってたのにまったく対応してくれない」「夜逃げされた」等々々々。

そういった類の店って、00年代に入ってからかなり少なくなったはずだし、基本的には「そんな……見りゃわかるでしょ!」って感じのうさん臭さがプンプンだから、そんなトコで買って、こんなトコに書き込んでるオマエのほうが悪い!……と思ったのだが、ちょっと待て、と。伊達心眼流選術を駆使することで中古車店選びの猛者となってしまった私は、もはやそういった類の店には個人的には一切近づかないし、仕事で接する際も、そういった店とは関係をもたないようにしている。ということは、私の認識がちょっとズレているのかもしれない。すなわち、元々ややわかりにくかった「良店と悪徳店の見分け方」は、2011年初夏、より一層わかりにくくなっているのかもしれない、と。


ということで某月某日、行ってみました。「悪徳店」としきりにウワサされる、某県某市の某店へ。


……結論から言いますと、確かにちょっとわかりにくいかもしれませんね。いや、ワタシは“猛者”ゆえにすぐピンときましたが、その理由を言語化っつーか法則化しにくいという意味で、ちょっとわかりにくいんですわ。


行くと、B系っていうんですか? エグザイルにいても違和感ない感じの兄ちゃんAが出てきます。ちょっとラフすぎて、ちょっとチャラい印象はある兄ちゃんAですが、そうったラフ感をあえて社是としてる店もありますし、今どきの兄ちゃんはおおむねチャラいですから、そこだけをもって「この店はダメだ!」なんて言えません。根はいい奴そうだし、クルマも好きそうだしね。

「らっしゃいませ!(モロモロ軽く会話してから)じゃ、 担当に変わりますね!」ということで出てきたオッサンB(推定52歳)。名乗らないし名刺もくれないので、オッサンBが社長なのか店長なのか、それともトウの立った営業マンなのか、よくわかりません。が、これも町の中古車屋さんではよくあることなので、それだけで「けしからん!」とかキレてはいけません。自社が扱っている車種に関してあまりにも商品知識がないことには苦笑しましたが、オッサンBがその店の社長である場合、「オレは経営に専念してるんで、詳しいことは店の者に任せてある。今日はたまたま店の者がいなかったから出てきただけだ」というストーリーもあり得るため、早合点はできません。

メカニックの人とも会いました。客(=私。いちおう本気で中古物件を見に行きましたから)の前にくわえタバコで出てくるのはけしからんですが、コレ、ほかの店でもたま~にあるんですよね。扱ってる中古車の質は決して悪かないのに「メカさんのタバコ意識が低い」という残念な店、結構ある。だからこれも決定打ではない。


そうは言っても、私はこの某店の手前15mに近づいた時点でピンときましたし、敷地を見て、店舗を見て、スタッフらを見て、そして物件を見て、「ウワサはたぶん本当なんだろうな」と判断しました。輸入中古車400勝として。

その根拠は何か?
前述のとおり明文化しにくいんですが、要するに人心が荒廃してる感じなのですよ。店のすべてが、何かこう、荒んでいる。


ほんのちょっとした差なんですけどね。多忙ゆえに散らかってしまった場所と、人の心が荒んだ結果としての散らかりっぷり。多忙ゆえに「疲れた目」と、心の荒廃が作る「輝きのない目」。専門外であるがゆえの「知識不足」と、「意欲の不足」。この某店は、それらのいずれにおいても後者であると、不肖伊達には感じられました。まぁ、仮に主な仕事が「客を丸め込むこと」と「クレームに対してシラを切り続けること」であるのならば、生まれながらのサイコパスでもない限り、荒みますわな。


「上記はすべてお前の勝手な主観&推測だろう!」という批判もあるでしょう。確かにそうですね、勝手な主観&推測です。ハズれてたらすみません。

でも…………結構自信ありますよ。